美術鑑賞が楽しくなる連続講座が7月に開講します。
学校の授業などで「絵の描き方」を学んだことはあっても「絵の見方」に触れる機会はあまり無かったという方も多いのではないでしょうか。
実は絵画とは「読むもの」でもあり、「読み方」のポイントを押さえると美術鑑賞は何倍も楽しむことができます。
全3回の講座を通して西洋美術ならではの読み解き方を学んでいきましょう。
講師を務めていただく池上英洋さん(東京造形大学教授)は『レオナルド・ダ・ヴィンチ―生涯と芸術のすべて』(筑摩書房)で第4回フォスコ・マライーニ賞を受賞、2007年に開催された「レオナルド・ダ・ヴィンチ―天才の実像―」では日本側の監修をされるなど、ダヴィンチ研究の第一線でご活躍されている美術史家です。
受講後はきっと美術館に訪れたくなることでしょう。
見逃し配信もございますので、是非お気軽にお申し込みください。
《開催概要》
【講 義】
「西洋美術の読み解き方~一歩進んだ美術鑑賞と異文化理解のために~<全3回>」
【講 師】
池上英洋さん(東京造形大学教授)
【日 時】
・第1回 7月5日(火) 19:00-20:30
・第2回 7月12日(火) 19:00-20:30
・第3回 7月19日(火) 19:00-20:30
【参加費】
(1)全3回...5,000円(セット割)
(2)各 回...2,000円
【申 込】
【講座について】
◎第1回 絵画の読み解き方とその意義
本講座では、皆さんの今後の美術鑑賞をより楽しく味わい深いものにしていくために、多くの美術作品を一緒にみながら、その読み解き方と鑑賞ポイントをいくつかともに学んでいきましょう。
そのために、初回ではまず「絵を読むために必要な基本事項」を最初のステップとして見ていきます。といっても堅苦しいものではなく、楽しみながら謎を一緒に解いていく感じで進んでいきます。
後半では、日本と西洋の美術の違いはどこからくるのかといった点についても考えていく予定です。
◎第2回 宗教と美術の関りを読み解く―中世美術を中心に
第2回講座では、主として宗教と美術の関係性をとりあげます。私たち日本人にとって西洋文化を理解するうえでの最大の障壁となるのが宗教観の違いです。日本のそれはアニミズムを祖とし、現代ではほぼ無宗教という世界的にも珍しい形態をとっています。一方で西洋のそれは、ユダヤ・キリスト教系一神教を基本としながら、古代神話に発する多神教が常にその底を流れています。
西洋美術の大部分が宗教美術なので、必須となるその基本事項をおさえながら、それが美術にどのようにあらわれているのかを、中世美術を中心に見ていきましょう。
◎第3回 社会と美術の関りを読み解く―ルネサンスを中心に
第3回講座では、主として社会構造と美術との関係性をとりあげます。日本でもルネサンス美術は人気で、関連する展覧会にも多くの鑑賞者が訪れますが、実際のところそれがどのようなもので、なぜ始まり、そしてなぜ終わったかを知る人はそれほど多くありません。しかしそれらの事項は、ルネサンス美術のみならず、その後の近代美術との違いを理解するうえでも必要不可欠な知識といえます。
<講師プロフィール>
池上英洋(いけがみ・ひでひろ)
美術史家・東京造形大学教授
1967年広島生まれ。東京藝術大学卒・同大学院修士課程修了。
主著に『レオナルド・ダ・ヴィンチ 生涯と芸術のすべて』(第4回フォスコ・マライーニ賞)、『死と復活』、『西洋美術史入門』(いずれも筑摩書房)、『「失われた名画」の展覧会』(大和書房)など。
日本文藝家協会会員。