夏目漱石『こころ』、太宰治『走れメロス』、谷崎潤一郎『細雪』、宮沢賢治『注文の多い料理店』。
学生時代に教科書で読んだっきり...、持ってはいるけど一度も開いたことがない、結局どれから読むのがいいの?...etc.そんな方の「読みたい!」気持ちを後押しするシリーズ講座「やっぱり読みたい日本の近代文学」。
第1弾の太宰治(斎藤理生/大阪大学教授)から、谷崎潤一郎(日高佳紀/奈良教育大学教授)、宮沢賢治(ソコロワ山下聖美/日本大学教授)と続いた本シリーズの第4弾は芥川龍之介です。
芥川の没後95年となる今年、文豪の素顔に迫る連続講座を開講します。
講師を務めていただくのは芥川研究の第一線でご活躍される庄司達也さんです。
本講座では作品の精読にとどまらず、庄司さんが所蔵する直筆原稿や写真など貴重な資料を見ながら、作品とは別の側面からも芥川の魅力に触れていきます。
ご都合の付かない方のために見逃し配信もございます。
是非この機会にお申し込みください。
<開催概要>
やっぱり読みたい日本の近代文学~知らなかった「芥川龍之介」~
講師:庄司達也さん(横浜市立大学 教授)
【日 時】
第1回 10月26日(水) 19:00-20:30
第2回 11月2日(水) 19:00-20:30
第3回 11月9日(水) 19:00-20:30
【参加費】
<全3回>4,000円(全3回セット割)
<各 回>1,500円
※お申し込み後のキャンセルは承れませんので、予めご了承ください。
<お申込み・詳細>
<講座について>
【第1回 新進作家・芥川龍之介の登場と文壇】 芥川龍之介(1892-1927)は、「大正」という時代が終焉を迎えた翌年に自らの命を絶ち、その死が不安な時代を象徴するものとして位置付けられた作家です。文学上の実験を多く試みたことでその世界はさまざまに展開され、没後95年を迎えた今日でも色あせぬ魅力を湛えています。第1回は、夏目漱石、森鷗外などにも認められた青年作家として登場した若き芥川の「野望」と「戦略」を、彼が見据え続けた「文壇」との関係を通じて検証します。
【第2回 直筆資料に注目すると見えること】 芥川龍之介は、ノートや草稿、原稿、書簡、色紙などが多く残されている作家です。各地の文学館や資料館にも所蔵されていますが、世のコレクターたちからも愛され、直筆資料、生ものと呼ばれる品々が高額で売買されている作家の1人です。第2回は、その残された芥川の直筆資料から一体何が見えてくるのか、皆さんと探究したいと考えています。具体的な作品としては、中期を代表する「雛」(1923)とそのプレテキストである「明治」を取り上げ、豊かな読解を目指します。 ◎受講前に『雛』を読むことをおススメします
【第3回 「羅生門」をノート・草稿から読み解く】 芥川龍之介と云えば「羅生門」(1915)という程に知られた代表作を、残されたノートや草稿の記述からヒントを得て、皆さんと一緒に読み解きたいと考えています。「羅生門」は昨今の高校国語教科書騒動で改めて注目を集めましたが、かつて「国語総合」という科目で全社の教科書に掲載された作品としても知られています。この教科書の定番作品に、真正面から切り込みます。その時に読解のキーとなるのは、作品世界を読者に届ける「語り手」の存在です。 ◎受講前に『羅生門』を読むことをおススメします
<講師プロフィール>
庄司達也(しょうじ・たつや)
1961年生まれ。横浜市立大学教授。 東海大学大学院文学研究科博士課程満期退学。文学修士。 東京成徳大学人文学部教授を経て、2016年より現職。 芥川龍之介の〈人〉と〈文学〉を主たる研究テーマとし、出版メディアと作家、読者の関係にも関心を持つ。また、作家が聴いた音楽を蓄音機とSPレコードで再現するレコードコンサートを企画・開催するなど、同時代芸術との関係に注目した研究を多面的に展開している。 編著書:『改造社のメディア戦略』(双文社出版、2014)、『芥川龍之介ハンドブック』(鼎書房、2015)