「いま読みなおしたい海外児童文学」シリーズ、今回のテーマは、いまも色褪せないファンタジーの金字塔、『指輪物語』。2022年には最新版が出版され、新作映画の公開も話題となりました。
映画版も愛され、多くのファンがいる一方で、読んでみようとして断念した方、人に勧めても手に取ってもらえなかった方も多いのではないでしょうか。映画の最新作も話題となった今、もういちど手に取ってみませんか。
講師には、トールキン研究の第一人者であり、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の日本語吹き替え版でエルフ語を監修されてた信州大学教授の伊藤尽さんをお迎えします。
本講座では作品の精読にとどまらず、作品世界の土壌となった北欧神話と、作品を強く印象付けるキーとなるエルフ語に迫ります。
ご都合の付かない方のために見逃し配信もございます。
是非この機会にお申し込みください。
<開催概要>
いま読みなおしたい海外児童文学
「指輪物語の作者が愛した神話とエルフ語 ~広大な想像世界を楽しむ~」<全3回>
【講 師】
伊藤尽さん(信州大学教授)
【日 時】*1か月間の見逃し配信あり
《第1回 著者 J・R・R・トールキンの⽣涯について》
⇒3月1日(水) 19:00-20:30
《第2回 『指輪物語』と北欧神話》
⇒3月15日(水) 19:00-20:30
《第3回 『指輪物語』とエルフ語に》
⇒3月29日(水) 19:00-20:30
【参加費】*1ヶ月の見逃し配信あり
・全3回 3,000円(セット割)
・各 回 1,200円
<講座について>
1954-55 年に出版された『指輪物語』は、それまで存在した読みものとは全く違っていて、文学者や文芸批評家の頭を悩ませ、ベトナム戦争に辟易した米国の大学生や若者を熱狂させました。21世紀に映像化され、ネット上ではファンたちが毎日情報を交わしています。活字離れには怖じ気づくような長大な叙事詩的作品の魅力はどこにあるのでしょう。
作者トールキン教授の人生や考え、作者が愛した北欧神話や文献学のもたらしたエルフ語創造は、想像世界を生き生きと理解する鍵となります。そして、その鍵自体もまた溢れる魅力で満ちているのです。
【第1回 著者 J・R・R・トールキンの生涯について】
1892 年に南アフリカのブルム・フォンテインでイングランド人夫婦のもとに生まれたジョン・ロナルド・ロウエルの、半ば平和な幼少時、スイス旅行や戦争体験を経る青年期、そして学者としての日々と興味の深化が非凡な頭脳を活性化させていったことを話します。
【第2回 『指輪物語』と北欧神話について】
『指輪物語』の前日譚なる『ホビットの冒険』と密接な関係を持つ北欧神話が、同じ時代に同じ中世アイスランドで記録されたサガ文学とともに、『指輪物語』では基層を構成しています。
【第3回 『指輪物語』とエルフ語について】
『指輪物語』を、当時を含めて他のフィクション作品と⼀線を画すのは、「エルフ語」の存在です。著作内のエルフ語と、映画の中でのエルフ語について、紹介、解説します。
<講師プロフィール>
伊藤尽(いとう・つくし)
信州大学人文学部教授。専門は英語史、中世英語・北欧語文献学、北欧神話、トールキン研究。
映画『ロード・オブ・ザ・リング』三部作 日本語吹き替え版エルフ語監修。映画『ホビット』三部作 翻訳監修(共同監修)。
単著『指輪物語 エルフ語を読む』(青春出版, 2004)、共著『アイスランド・グリーンランド・北極を知るための65章』(明石書店, 2016)他、翻訳 ダニエル・ドナヒュー著『貴婦人ゴディヴァ』(慶應義塾大学出版会, 2011)、ジョン・ガース著『J. R. R. トールキンの世界:中つ国の生まれた場所』(共訳、評論社, 2021)他。