古来より信仰の対象であることはもちろんのこと、その造形の美しさでも人々の注目を集めてきた仏像。
なにかと仏像に触れる機会の多い私たち日本人ですが、仏像はどこからやって来たのか、仏像はどう見ればいいのかなど、もっと初歩的なことから知りたい!と思う方も多いのではないでしょうか。
連続講座「文化で辿る日本の歴史~仏像がやってきた!~」では、仏教伝来の歴史、仏像を見る時に押さえるべき基本的なポイントなどを楽しく学び、これからの仏像鑑賞がより楽しくなるような時間をお届けします。
初心者の方はもちろん、既に仏像鑑賞を楽しんでいる方はさらにマニアックな見方を習得し、自分の「推し仏像」を見つけましょう!
講師は、早稲田大学エクステンションセンターや日経カルチャー、朝日カルチャーセンター、NHK・Eテレの仏像番組の講師も務める村松哲文さんです。
【講座概要】
文化で辿る日本の歴史~仏像がやってきた!~<全3回>
講師:村松哲文さん(駒澤大学教授)
【日 時】*1か月間の見逃し配信あり
4月12日(水) 19:00-20:30 第1回 奈良時代の仏像
4月19日(水) 19:00-20:30 第2回 平安時代の仏像
4月26日(水) 19:00-20:30 第3回 鎌倉時代の仏像
【参加費】
・全3回 3,000円(セット割)
・各 回 1,200円
【申込・詳細】
<講座について>
【第1回 奈良時代の仏像】
6世紀、日本に伝来した仏教は、華麗な仏教文化を花開かせました。日本で最初に作られた飛鳥時代の仏像は「アルカイックスマイル」といわれる微笑んだ仏像です。続く白鳳時代は、丸顔で二重の可愛らしい、子供のような表現の仏像が表されます。天平時代は、人間的な動きのある写実的な仏像が制作されるようになります。こうして時代と共に仏像の姿が変化する要因について、作例をもとに解説していきます。
【第2回 平安時代の仏像】
平安時代の大きな転機は、密教の伝来でした。これによって従来見られない憤怒の姿の仏像が表されます。また平安時代の初期は、一木造の仏像が増えます。仏像を正面だけではなく、側面から観察すると重量感のある表現になります。いっぽうで平安時代の後期になると、数本の木材を組み合わせて制作する寄木造の仏像が多くなります。こうした中で仏像の表情が和様といわれる、日本人の顔に変化します。仏像の制作過程に如何なる変化が起こるのか、時代背景を考察しながら確認していきます。
【第3回 鎌倉時代の仏像】
鎌倉時代までに、仏像を制作する集団はいくつか存在していました。その中で、鎌倉時代に活躍したのが慶派とよばれる仏師集団です。運慶や快慶で代表される仏師が、この時代に為政者から重用された理由は何かを考えていきます。さらに、この時代の仏像では、中国・宋代の影響も見逃せません。過度な写実といわれた鎌倉時代の仏像の見どころを解説します。宗派による仏像の特徴についても、併せてお話したいと思います。
<講師プロフィール>
村松哲文(むらまつ・てつふみ)
1967年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。
早稲田大学会津八一記念博物館を経て、現在駒澤大学仏教学部教授。禅文化歴史博物館館長。専攻は仏教美術史・禅美術。著書に『趣味どきっ!―アイドルと巡る仏像の世界―』(NHK出版)、『かわいい、キレイ、かっこいい たのしい仏像のみかた』(日本文芸社)、『駒澤大学仏教学部教授が語る 仏像鑑賞入門』(集英社新書)などがある。